英検1級 リーディング 攻略法 (2)英文解釈は効果絶大
英検1級の長文に対応できる読解力
前回は限界まで全訳や解説を読まないほうがいいという話をしました。
リーディング対策2回目は読解力をつけるために僕が何をしたかという話をしたいと思います。
英検1級の長文のレベルに関しては真っ二つに意見が分かれています。
ある人は別に準1級とそんなにレベル違わないと言いますが、またある人は準1級よりずっと難しいと言います。
これには2つの理由があります。
背景知識はあればあるほど有利
まずは前回も書きましたが
英検1級の長文問題には相性があります
よく出るテーマは歴史、科学、政治、そして芸術です。
なるほど…って、範囲広すぎ!
長文で取り上げている内容が自分の知っている知識と一致すれば超ラッキーです。固有名詞や専門用語がバンバン出てきますので、単語を眺めているだけでも内容が簡単に理解できます。
逆に知らないテーマ、特に興味のないテーマだと恐ろしいことになります。英文を日本語に訳すことはできるのにそれが何を意味しているのか理解できないなんてこともあります。
これに関しては無理のない範囲で知識を広げるしかありません。ニュースやドキュメントを見てください。インターネット等の文字ベースのニュースだと自分の興味のある分野しか読まない可能性がありますので、やはりテレビのニュースを見るのがいいと思います。背景知識を身につけるのが最優先ですので、日本語の方が効率がよいと思います。
僕は二次試験の面接対策を兼ねて、クローズアップ現代を録画して視聴しました。
これに関しては後日、二次対策のおすすめとして詳しく紹介します。
英検1級を受験する予定の人は今から撮り貯めておいて損はないですよ。
英文解釈はやっておいた方がいい
そして難易度の評価が別れるもう1つの理由は、英文解釈の技術が身についているかどうかです。
僕は英検1級の長文対策を本格的に開始した時点では「文法と単語がわかればどんな英文でも読めるはず」と思っていました。
パス単の単語は7割がた覚えていましたし、文法もロイヤル英文法問題集とGrammar in Use Intermediateを終えていましたので、不足はなかったはずです。(このあたりの話もそのうち書きたいと思います)
実際に英検準1級までの文章はそれほど苦労せずに読めたつもりです。
それにも関わらず英検1級の文章の意味がわかるまでに異様に時間がかかる状態でした。
英検1級では長文の時間配分の目安は、Part2の空所補充は2題で合計10分程度、Part3の内容一致問題が500 words(1題目と2題目)で各10分、800 words(3題目)で15分程度と言われています。
ところがこの時点での僕はPart2では1題10分、Part3では1題15分~20分かかっていました。全然間に合いません。
これではまずい、と思って色々調べてみました。
過去問だけで十分
という人もいましたが
その域に達してないんですけど
ということで却下です。
またある人は
NewsweekやTimeやEconomistを定期購読しよう
というアドバイスをしていましたが
そんなにお金出せないし、読み切れる気がしないよ
というわけでこれも無理です。
そんなときに見つけたのが
英文解釈の技術は必須!
というアドバイスです。
以前にも書きましたが、僕は高校・大学時代の英語は低空飛行でした。
インターネットが普及し始めたのが大学の中頃。ネットで何でも調べられるようになったのは社会人になってかなり経ってからです。
ですからお勧めの参考書の情報なんてほとんど手に入らず、英文解釈の参考書は1冊も持っていませんでした。
更に色々と調べた結果、英検1級レベルの英文解釈の参考書として英文標準問題精講と英文解釈教室の2冊がいいことがわかりました。
そのうち僕が選んだのは英文標準問題精講(以下英標)です。
パラパラと立ち読みしてみると、主語がなかなか出てこない文、長い挿入語句が入っている文が次々と登場して
これを1冊やりきれば間違いなく英文が読めるようになる!
という予感がしたからです。
ではなぜ英文解釈教室を選ばなかったのかというと
英標のほうが安かったからです
冗談のような理由ですが、子持ちサラリーマンの小遣いから出せる金額には限りがあるのです(涙)
英検1級対策としての英文標準問題精講の使い方
英標は初期10日(例題50問+練習問題50問)、中期10日(例題30問+練習問題30問)、後期10日(例題30問+練習問題30問)の3部構成です。
しかし初期も中期も後期も10日ではまず終わりません。それくらい濃い問題が揃っています。
では英検1級対策としての英標の使い方についてですが、
初期10日の例題50問だけで十分です
とにかく初期10日の例題50問を繰り返して、読んだ瞬間に構造が見抜けるようにしてください。
SVOCを意識しながら文の構造を考えながら和訳することを繰り返すことで、挿入句や修飾句、倒置等しっかり見抜けるようになります。
和訳という勉強法に関しては批判もありますが、この本に関しては構造が正しく見抜けているか確認するためにも和訳したほうが効果があります。
また、初期の例題には一見難解な「解剖図」なるものが載っています。Amazonその他のレビューではこの解剖図が不要であるとの意見もありますが、僕にとってはこの解剖図が一番有益でした。
解剖図が出てきたら
・元の文を音読しながら解剖図を分析する
・解剖図を見ながら元の文に戻るように音読する
この2つを繰り返してください。
これであらゆる修飾・挿入パターンに触れられますので、英検1級レベルの長文は十分に理解できるようになります(もちろん語彙と文法の知識は別途身につけていることが前提です)
読解スピードも格段に上がる
ちなみに僕は中期10日の例題の途中で英標の演習を一旦ストップしました。試しに英検1級の過去問を解いてみたら思いのほか解けたからです。そして嬉しい副作用として
長文を読むスピードが格段に上がりました!
よく読解スピードを上げるには速読の練習が必要だという話がありますが、ほとんど読み返しをしなくなったため長文の意味を取りながら読んでいても目標タイム以内に解き終わるのです。(もちろん意味が取れずに読み飛ばす部分や、諦めて後回しにする問題もあるのですが)
改めて強調しますが
とにかく初期10日の例文を極めてください!
残り(初期10日の練習問題、中期10日、後期10日)は合格後の楽しみにとっておきましょう。
特に練習問題は解説がほぼ皆無なので、周りに質問できる人がいないとかなり苦しいです。
1級合格した今も毎日読んでいます。今では英標の文章を読み解くのが楽しくて仕方ありません
・ニュースやドキュメントを見て背景知識を広げよう。
・読解の正確性と速度を上げるには英文解釈の技術が必須。
皆さんの英語学習に少しでも役に立てば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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— すたっぐびーとる (@stagenglish) 2019年11月15日