英検1級 二次試験 面接対策本に書いていないこと
二次試験対策の関連記事をまとめています。
今回は英検1級二次試験対策本等で書かれているポイントについて
少なくとも僕はこれで合格したよ
というポイントについていくつか書いてみたいと思います。
スピーチの根拠は3つもいらない
面接大特訓でも14日でできる二次試験対策でも、スピーチの根拠を3つ挙げることを推奨していますが
根拠2つだけでスピーチ8点(10点満点)もらいました
おそらく中身のあることを2分間話せるのであれば1つでも十分だと思います。
IntroductionやConclusionも1文ずつで十分ではないでしょうか。
大事なことは
①最初に自分の立場を明確にしておくこと
②自分の立場を守って一貫したスピーチを組み立てること
③一般化して話すこと(個人の感想にしないこと)
の3つだけだと思います。
また
Q&Aの回答の根拠も1つで十分です
よっぽど議論慣れした人でもない限り、その場で質問されてその場で2つも3つも理由を言うのは不可能だと思います。思いつくまま話して、1つでも言えれば十分、可能なら複数挙げるという程度で十分でしょう。
それに
for three reasonsとかも言わなくても大丈夫です
「理由は3つ」と言ったのに途中で1つど忘れしてしまったとか、結局2つしか思いつかなかったとか怖くないですか?安全策をとって敢えて言わないというのも作戦としてアリだと思います。
パラフレーズは本質ではない
同じ表現の繰り返しは避けるのが上手なスピーチだと言われています。
確かにその通りですが
僕はほとんどパラフレーズできませんでした
それでもスピーチで8点、Q&Aでも8点もらっています。
おそらくパラフレーズができているかどうかは高評価を与えるかどうかの基準であって、合否を分ける基準ではありません。
パラフレーズは思いついたら使う、思いつかなければ同じ語句を繰り返して構わない、くらいの気持ちでいいと思います。
数値は必ずしも必要ない
面接大特訓では「最新のデータを出すことが重要」という記載が何箇所かありますが、必ずしも必要ありません。
少なくとも僕は1つもデータを提示していません
すでに覚えているデータを使うのは全く問題ありません。むしろ良いことだと思います。
ただ、覚えていないデータがあるからといって焦って色々と詰め込む必要はありません。
「大量の」二酸化炭素を放出している。「広範囲の」森林を破壊してきた。
これで十分です。
そして以前にも書きましたが
データの正確性は評価には全くと言っていいほど影響しません
面接官は1日に5つのお題が書かれたトピックカードを4枚、つまり20種類のトピックの採点をしなければなりません。
トピックは政治、経済、文化、教育、スポーツ、宗教、人間関係まで様々です。はたしてこれらの20のトピックに関する数値を完全に理解している人がいるでしょうか。
1つ2つのトピックなら専門的な知識を持っている面接官もいるかもしれません。しかし、その面接官が自分の得意分野とそれ以外の分野で採点基準を変えることが許されているでしょうか。
小学生でも合格することがある試験です。果たしてそれらの小学生が一般の大人でも知らないような専門知識を豊富に持っていたのでしょうか。
いずれも答えはNoだと考えるのが自然です。
(面接官も人間なのでほんの僅かに影響が出ることはあるとは思いますが)
受験者が「太陽は西から昇る」とか「猿は人間から進化した」といった、完全に間違ったことを言えば別ですが、ある程度理屈が通ったことを話したとしたらそれがウソだと断定することは不可能です。
まして自分と同じ意見の場合は合格だけれども、異なる意見の場合は不合格なんてできるわけがありません。
面接官が注目するとしたら、「そのデータが主張の裏付けとしてふさわしいか」の一点だけでしょう。
たとえば2050年に温暖化の影響で絶滅する動植物が20%だろうが50%だろうが大きな問題ではありません。「温暖化はマズい」という主張の裏付けになっていればいいのです。
10年後に再生可能エネルギーの割合が50%になっていようが、80%になっていようが大きな問題ではありません。「近い将来に再生可能エネルギーの利用率が大幅に上がる」という主張の裏付けになっていればいいのです。
面接官を論破する必要はない
Q&Aで特に注意したいのは面接官を論破する必要はないということです。
テレビの討論番組を見たことがあるでしょうか。30分も1時間も、場合によっては深夜から早朝まで議論しても結論なんか出ません。お互いに平行線です。
たった4分間の質疑応答でどちらが正しいかなんて決められるはずがないのです。
そして面接官にもいろいろな人がいます。
核兵器の所持に賛成の人もいるでしょうし、反対の人もいるでしょう。
肉食が好きな人もいれば、ベジタリアンの人もいるでしょう。
先程も言いましたが、「自分と意見が違うから評価を下げる」なんてことをする人を英検協会が採用するはずがないのです。
Q&Aで痛いところを突かれたとしても、慌ててはいけません。
面接官はあなたの主張を否定しようとしているのではなく、あなたの反応を見ているだけなのです。
たとえば「原発を活用すべき」というスピーチに対して
原発の危険性についてはどう考えるか。チェルノブイリや福島原発の周辺は住めなくなっているが
と質問されたときにムキになって、「いや原発は安全対策が十分にできている」と答えるよりも
あなたの心配はわかります。たしかに事故には注意しなければなりません
と完全に相手の話に乗ってもいいと思います。最後に
しかし、電力を確保することはもっと重要です。電力がなければ経済活動が停滞し、より多くの人に影響が出ます
と自分の主張に沿った意見を述べればいいのです。
困るのは「どうしたらよいと思いますか」という質問で回答が思いつかないときですね。時間をかせいでも何も思いつかないときは
それについては一度も考えたことがありませんでした。あとでじっくりと考えてみたいと思います
と降参してしまうのもアリだと思います。
意味のないことをダラダラと話すよりも早めに切り上げて他の質問に移ったほうが賢明ではないでしょうか。
Q&Aはあくまでも質疑応答ですので、「面接官の質問が正しく聞き取れているか」「質問に対して適切に応答できているか」が重視されています。
面接官の質問のポイント(Yes/NoかWhyかHowか)を正確に聞き取って、それに対する応答を中心に回答を組み立てるのがポイントです。
嘘でも自信があるように振る舞う
ということで今回は面接対策本に書いていないことを中心に書いてきましたが、最後にいちばん重要なポイントです。
自信があるように振る舞ってください
「緊張していて上手く話せるか心配です」とか「◯◯じゃないかなと思うのですが」とか自信のない発言をしていると、
この人、大して英語できないんじゃないか
という色眼鏡で見られてしまいます。
面接官と目を合わせてください。
微笑んでください。
断言してください。
ポジティブな言葉を使ってください。
友好的に対話してください。
しっかりと相手に伝わるように話すことを心がければ、面接官もそれを汲み取ってくれるはずです。
皆さんのご検討をお祈りしています。