英検1級 ライティング&スピーキング 攻略法 (2)面接大特訓で補完
- 英作文制覇と面接大特訓でインプットは完璧!
- 長所1 全てのテーマで使えるIntroductionとConclusionが学べる
- 長所2 ポイントを外さないアーギュメントの展開が学べる
- 英作文制覇と面接大特訓の比較
- 面接大特訓を使う上での注意点
英作文制覇と面接大特訓でインプットは完璧!
前回は完全合格!英作文問題完全制覇という本の使い方をご紹介しました。
最短合格!英作文完全制覇(以下「英作文制覇」)はこれ1冊で英作文の対策も二次試験のスピーチ対策もできる非常によい本なのですが、合格可能性をぐっと引き上げるためにはもう1冊使いたいところです。
その1冊とは植田一三先生の面接大特訓(Jリサーチ出版)です。
ちょっと待って。これって二次対策本じゃないの?
と思った人もいるかも知れませんが、
これはライティングとスピーキングの参考書です
タイトルこそ二次試験対策本っぽい雰囲気を醸し出していますが、書籍の中でも「エッセイライティング問題スコアUP法はこれだ」とか「エッセイの添削」というコーナーもあり、ライティングとスピーキングの両方に使える参考書となっています。
これ1冊で一次の英作文にも二次の面接にも使えるスグレモノです
長所1 全てのテーマで使えるIntroductionとConclusionが学べる
この本の中で植田先生は、他の問題にかける時間を確保するためにIntroductionとConclusionを予め定型文から用意しておくことを勧めています。
特にIntroductionはいくつかのパターンが紹介されていますので、自分の気に入ったものを選ぶといいでしょう。
ちなみに僕はこの本を参考にして、次のIntroductionを使うことに決めていました。
There have been a lot of discussions and debates about whether or not [与えられたテーマ]. Some people argue that [賛成意見or反対意見], and other people do not. Personally, I (do not) think that [与えられたテーマ(可能ならパラフレーズ)] for the following three reasons.
Conclusionは以下のとおりです。
In conclusion, for the reasons mentioned above, [アーギュメント1], [アーギュメント2] and [アーギュメント3], I (do not) believe that [与えられたテーマ(可能ならパラフレーズ)].
この間に50語程度のアーギュメントを3つ入れれば完成です。おそらくwhether or not以外の部分は全てのトピックで使えると思います。
余談ですが、僕は1級の勉強を始めるまでライティングで短縮形を使ってはいけないことを知りませんでした。
長所2 ポイントを外さないアーギュメントの展開が学べる
本書では評価が高いエッセイ・スピーチと評価が低いものの違いがわかりやすく解説されています。
特に繰り返し強調されているのが、howではなくwhyを書くということです。
たとえば「支援は必要か?」というテーマに対して、「こういう支援ができる。ああいう支援もできる」というhowを述べたエッセイ・スピーチは点数が低くなります。
高得点を狙うには「こういう理由で支援すべきだ。ああいう理由で支援すべきだ」というwhyを述べなければならないのです。
そのほかにもインパクトのあるエッセイ・スピーチの書き方が載っていますので、一読の価値はあります。
英作文制覇と面接大特訓の比較
ここで
じゃあ最初から面接大特訓だけ使うのもアリ?
という疑問を持たれた方もいるかと思いますが
英文は書けるから考え方だけ知りたいという人はそれもアリです
英訳トレーニング等をずっとやってきて、英文を書くこと自体は得意だけれども質問に対する自分の考えをまとめるのが難しい、という人はむしろ面接大特訓を中心にやった方が効率がよいかもしれません。
一方で僕のように
そもそも英語でどう表現したらいいかわからない
という人の場合は英作文制覇→面接大特訓の順に進めることをお勧めします。
なぜなら英作文制覇と面接大特訓には以下の違いがあるからです。
・英作文制覇は賛否両論。面接大特訓は植田先生のおすすめ意見のみ掲載。
・英作文制覇の和訳は原文に忠実。面接大特訓の和訳は意訳が多い。
・面接大特訓のQ&A対策の英文には和訳がない。アイディアの核となる部分は解説されているが例や補足に関しては言及がないものも多い。
つまり
和文英訳を通して知識を蓄えるのには向いていないのです
というと
じゃあ面接大特訓は二次試験まで必要ないのでは?
という意見があるかもしれませんが
英作文制覇と面接大特訓は補完性が高いのです
英作文制覇では30の予想問題が掲載されていましたが、面接大特訓では16スピーチトピックとQ&A想定問題43問が掲載されています。
そのため面接大特訓には英作文制覇に含まれていないテーマが多数含まれています。
たとえば以下のようなものです。
・安楽死制度は認められるべきか
・印刷物は電子メディアに取って代わられるか
Q&A想定問題は模範解答こそ二次試験のQ&Aを想定していますが、「死刑制度の是非」「定年制度は廃止すべきか」等、エッセイやスピーチのトピックになってもおかしくないものも多数含まれています。
Q&Aも含めると重複するテーマは1割もありません
ですので、英作文制覇を使って基本的な表現を覚える→面接大特訓で使えそうな表現を増やすというのが最も効率的な表現力の鍛え方だと思います。
ちなみに
この時点で面接大特訓の問題に答えられなくても気にしないでください
ということも付け加えておきます。
繰り返しますが、2冊で重複するテーマは1割もありません。
逆に言うと
この2冊をやりきれば殆どのテーマを網羅できます
面接大特訓を使う上での注意点
面接大特訓は間違いなく名著です。ただし、気をつけなければならない点もあります。
今日はそのうちライティングに関する注意点を2つ紹介します。
1 最新のデータで採点者を圧倒する必要はない
面接大特訓の中ではよく「数値データを出して効果的にサポートしましょう」「最新のデータを頭に入れておきましょう」といったアドバイスが出てきます。
ここで
え?そんなデータ知らない!そんなに覚えきれないよ
と不安になるかもしれませんが
データは「多いか少ないか」が実感できれば十分です
確かに数値を効果的に使えばエッセイやスピーチの説得力が増しますが、数値の正確さはそれほど重要ではないです。
え?ウソ書いたらまずいでしょ?
と思われるかもしれませんが、
何千、何万もの答案の数値を全て照合するのは物理的にムリです
たとえば「最近のある実験ではスマートフォンを毎日3時間使っている成人の80%に、記憶能力の低下が見られることが判明した。またスマートフォンの使用時間が1時間未満の会社員は1時間以上の会社員より平均で50%年収が多い」というデータがあるとします。
え?そんなデータあるの?
と思われたかもしれませんが、自信を持って断言します。
僕が今、適当に考えました
では「そんな実験もデータもない」ということを確認するのにどれだけの時間が必要でしょうか。
そのデータが正しくないことを証明するには世界中の全ての研究機関の全ての論文を調べなければなりません。ハーバードで否定されていたとしても、オックスフォードでは別の論文が出ているかもしれません。さらに東大では?京大では?早稲田では?慶応では?日大では?清華大学では?
きりがありません。
全答案をそのようにチェックするとどうなるか。いつまで経っても採点が終わりません。
ですから明らかに嘘だとわかるデータを書いたり、論理構成におかしな部分があったりしない限り、数値自体が減点項目になることはありえないのです。
たとえば「温暖化で絶滅する生物が30%」というとき、30%か40%か50%というのはそれほど重要ではありません。そのくらい深刻な問題であるという根拠になっていればいいのです。
2 初版第1刷はできるだけ避けよう
そしてもう1つの問題点ですが、初版第1刷は誤植パラダイスなので、古本を買ったり知り合いから譲ってもらったりする人は気をつけてください。
二次面接終わってから本屋に寄ってみたら、最新版では誤植直ってましたよ…
二次試験の面接対策として考えたときにはもう少し注意事項があるのですが、それについてはスピーチ対策として別記事にて紹介します。
また「英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現」という本も評判が高いようです。僕は実際に読んだことがないのですが、同じ植田先生の本ですのでこちらを使ってもいいと思います。書店で見比べて自分に合うと思う方を使ってください。
・面接大特訓はライティング対策にも使える。
・英作文制覇と面接大特訓でほぼ全てのテーマを網羅できる。
・数値データは必ずしも正確でなくてもよい。
皆さんの英語学習に少しでも役に立てば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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英語アカウント切り離します。本アカウントはあまりにも毒が強いので。 https://t.co/uLvtbPjhBp
— すたっぐびーとる (@stagenglish) 2019年11月15日